フランスのオーニソロジーから、デジパックでのリリース。アミール・エル・サファルはイリノイ州シカゴ出身のイラク系アメリカ人トランペット&サントゥール(ペルシャの打弦楽器)奏者で、現在はニュー・ヨークを拠点にクルアーン朗唱も交えた独特のパフォーマンスを行っている。ロレンツォ・ビアンキ・ホーシュはおそらくパリを拠点とするエレクトロニクス奏者兼コンポーザーで、演劇やダンスのための舞台音楽、映像のサウンドトラックの作曲の他、インタラクティブなインスタレーション・ライヴなどでも活動しているようだ。本作は、24年にリリースされたエル・サファルとビアンキ・ホーシュの連名名義ファースト・アルバムで、メンバーは、トランペット&サントゥール、クルアーン朗唱のエル・サファルと、エレクトロニクスのビアンキ・ホーシュのデュオ。1曲目がトランペットとクルアーン朗唱にエレクトロニクスが絡む静謐なドローン・アンビエント調、そのまま2曲目へと続くが途中からダブ・テクノの調の異様な盛り上がりを見せて、3曲目でサントゥールの美しい響きとノイジーなエレクトロニクスでクール・ダウン、4曲目でクルアーン朗唱とトランペットを軸に再びダブ・テクノの調の盛り上がりで大団円という流れ。おそらく即興と思われるダブ・テクノの調の圧巻の盛り上がりと、アンバーな情感の静謐なドローンの対比がともかくも見事で、時間の流れと空気の色変わる透徹感満点の好盤と思う。巻晴らしい!。
輸入盤
(Psyche/Ambient,Electronics,Progressive,Arabic / Digi-Pack CD(2024) / Ornithology/France)