USAのプロジェクトから、デジパックでのリリース。500枚限定プレス。アリオ・ダイは、ミラノ出身のイタリア人環境音楽コンポーザー&古楽器奏者ステファノ・ムッソの変名で、89年頃からエレクトロニクスと生楽器を交えたエレクトロ・アコースティック系アンビエント畑で活動している。ディルク・セリエスはアントウェルペン出身のベルギー人ギタリストで、84年頃からヴィドナ・オブマナ(セルビア語で目の錯覚の意味)の変名も交えてアンビエント畑で活動している。本作は22年にリリースされた、(只今のところ)ダイとセリエスの連名名義ファースト・アルバムで、メンバーは、プサルテリー、チター、ループ等のダイと、エレクトリック・ギター&エフェクトのセリエスのデュオ編成。概ね、わりとど真ん中のギター系ドローン・アンビエント調サウンドを展開していて、ゆるやかに雲間を浮遊しているような、淡々とうつろう感じのサウンドスケープを堪能出来る。うっすらとヴォリューム奏法的ギターらしき音色が確認できる以外は、プサルテリー、チター辺りは倍音の共鳴と拡がり、深いリヴァーブとループの中に個別の判別は不能なほど埋没していて、ゆっくりと流れていく音像の機微的な動きの時間感覚は、ドローン・アンビエント系としてともかくも非常に見事。『日食の様相』を段階を追って描いた20分前後の3曲の中には、古くは14年のセッション・マテリアルも含まれてるらしいが、日食の各段階のドラマティックさではなく、神秘性やスピリチュアル性にフォーカスしている印象で、イベントそしての刹那的側面よりも、その現象に至る膨大な時間の積み重なりを捉えようとしているのかも知れない。流していて素直に心地好い好盤と思う。
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輸入盤/限定500枚プレス
(Psyche/Drone,Ambient,Electronics / Dig-Pack CD(2022) / Projekt/USA)