国内のインパートメント/P*Disから、限定ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。アクスミは、ロンドン在住のフランス人コンポーザー兼マルチ奏者、パスカル・ビドーのユニットというかプロジェクトで、本作は22年にUK/EUのトーナル・ユニオンからリリースされたファースト・アルバム。CDはこの日本盤オンリーで、さらに本作収録曲のリミックス・ヴァージョン1曲をCDオンリーでボーナス収録。メンバーは、ギター、ベース、ピアノ、シンセ、サックス&フルート、プロデュース等をマルチに熟すビドーを核に、ソニック・アート、アンサンブルLUX:NM等のルート・フェルテンとフロリアン・ユンカー、ダニエル・ブラント(ex.ブラント・ブラウアー・フリック,フリー・エレクトリック・バンド,etc)などのベルリン在住のドイツ人メンバーたちが参加(レコーディングもベルリンのスタジオ)。概ね、スティーヴ・ライヒ方面のミニマル・アンビエント調サウンドを展開していて、ライヒ近似のエレガント&クールな楽曲と、バンド感のあるプログレ調の演奏がいい塩梅のバランスで交叉。インドネシア訪問時に没頭したというガムランの『スレンドロ音階』を基調に、ライヒ以外にもテリー・ライリー的なミニマル色、ジョン・ハッセルの「第四世界」のコンセプト、大友克洋の「AKIRA」や日本のドライヴ映像の都市風景にインスパイアされたイメージなどを曲によって適時織り混ぜ、さらにレイヴ感やモータウン的ビートも加味したとある。確かにそれらの要素は随所に感じられるが、全体が淡い情感に収束する落ち着いたライヒ的ミニマル感が非常に心地好く、正しくサイケで美しい好盤と思う。
インパートメント盤/国内プレス盤(Japanese-pressing CD)/デッドストック入荷
(Psyche/Minimal,Progressive,Ambient / Paper-Sleeve CD(2022) / Inpartment/P*Dis/Japan)