スペインのグロッシー・ミステイクスから、21年新規リマスターでのリシュー。国内のディスク・ユニオンが輸入盤にオビ・解説を付けた国内流通盤で、100枚限定プレス。伊藤詳(祥)は、元ファー・イースト・ファミリー・バンド(FEFB)のキーボーティストで、76年に脱退後、ライジング・サンを経てソロ活動に転じた。同じく元FEFBの宮下フミオ、高橋正明(aka.喜多郎)等と共に、日本のニュー・エイジ／ヒーリング・ミュージック系のビッグ・ネームの1人。本作は、86年に日本のグリーン＆ウォーターからリリースされた(おそらく)12枚目のソロ・アルバムで、AKIRA名義。メンバーは、シンセ、ピアノ、ギター、パーカス、プロデュース兼任の伊藤を核に、曲によって豊田貴志、上幸一郎、マナベ・ヘイタロー、イザバ、ミネコ等々が適時参加。概ね、ゆるやかで肯定的な瞑想感のニュー・エイジ／ヒーリング系サウンドを展開していて、デフォルトのヒーリング調から、ピンク・フロイド調、クラフトヴェルク調、細野晴臣調、喜多郎調などなど、曲によってテイストにヴァリエーションはあるが、全体としてニュー・エイジ的内省感に収束。というのも、パラオで撮影された海の野生動物のドキュメンタリー映像を、レーザーディスクで商品化する際のサウンドトラック作品として企画・制作されたものだそうで、それぞれの生物からインスパイアされた印象が適時反映されているらしい。プログレ的バンド感とエレクトロニクス的アンビエント感が、それ程違和感なく同居していて、スペイシーで涼やかなSEやノイズ・フラグメントのハマりもよく、オリジナルLPのプレミアム価格云々は抜きにしても、ニュー・エイジ然としたライトなサイケ感が心地好い好盤と思う。
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ディスク・ユニオン盤／限定100枚プレス
(Psyche/Ambient,Healing,New Age / Jewel-case CD(2022 Re-master) / Glossy Mistakes,Disk Union/Spain,Japan)
