UKのディスコ・ゲコウ・レコーディングスから、3面開きデジスリーヴでのリリース。アンドリュー・ヒースは、コッツウォルズを拠点とするイギリス人サウンドスケープ・アーティスト兼ピアニストで、ハンス・ヨアヒム・ローデリウスにインスパイアされて、95年頃にフェリックス・ジェイとアクウィアスを結成して活動を開始した。現在はソロの他、そのローデリウスや、アン・クリス・バッカー、トビー・マークス等との共演作品もリリースしている。本作は、21年にリリースされたソロ名義セヴンス・アルバムで、全てヒース1人の多重レコーディングによる制作。ピアノ、エレピ、ギター、エレクトロニクス、フィールド・レコーディング、トリートメントのクレジットは前作「アルケミストズ・ミュゼ」と同じだが、スタイリッシュなアンビエント感をある程度担保しつつも、儚くて淡い郷愁感が全編に滲み出ていて、より柔らかく静謐な情感が顕われている印象。終始遠くで鳴っているようなドローンの埋没感は見事で、ふわふわと漂う煙のようなエレクトロニクスと、透明感十分のピアノやクリア・トーンのギターが、寄せては引く波やオーロラのような揺らぎに収束。各種生活音や生き物の声等、フィールド・レコーディング・マテリアルの映像的なコラージュも非常に上手く、空気の色と時間の流れが変わる優れて瞑想的な好盤と思う。この人のドローン感はブライアン・イーノ方面の深さだが、くぐもり度合いが少し違っていて、そこがまた美しくとても心地好い。素晴らしい！。
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輸入盤
(Psyche/Ambient,Electronics,Drone / Digi-Sleeve CD(2021) / Disco Gecko/UK)
