USAのプロジェクトから、デジパックでのリリース。LTD.500。エリク・ウォローはヘムセダール出身のノルウェー人ギタリストで、テリエ・リピタルに師事し一部ではその継承者ともいわれた。ベンディク・ホフセスとのチェレステを経て、80年代前半からソロ活動を開始、主にギター、ギター・シンセ、エレクトロニクス等を使った、ダークな情感を放つ独自のニュー・エイジ&音響系作品をリリースし続けている。本作は、17年にリリースされたアルバムだが、98~03年に自身のウインターガーデン・スタジオでレコーディングしていた未発表マテリアルを元に、リマスター&リミックス&エディットした新たに再構築したとある。メンバーは、エレキ・ギター、ギター・シンセ、シーケンサー、パーカス、プログラミングを駆使した、ウォロー1人による多重レコーディング。概ね、いつものウォロー調ギター・ドローン方面ではあるが、丁度「ギター・ノヴァ」~「ブルー・スカイ、レッド・ギター」辺りの音源制作時期と重なっていて、プログレ色を踏まえた少し動きのある楽曲が多い。とはいえ、そのプログレ感や動きを、ある程度テイストはそのままに近年のセンスでドローンに溶け込ませたような仕上がりで、ノイズ・フラグメント的なリズムやパルス、シグナルの、スタッター的な使い方が相変わらずとても上手い。その辺りが、この人のサウンドを単なるニュー・エイジ系とは一線を画すものたらしめているという気もするが、ミニマリスティックなギター・アルペジオの重ね方やズラし方、リヴァーブ感の絶妙さも見事で、ともかくも流していて非常に心地好いサウンドスケープを堪能出来る。全体の淡い情感も優れて瞑想的な好盤と思う。
輸入盤/限定500枚プレス/デッドストック入荷
(Psyche/Progressive,Meditation,Drone,Ambient / Digi-Pack CD(2017) / Projekt/USA)