USAのスロビッティ・ボビッティ・ミュージックから、デジパックでのリリース。ザ・トゥエンティ・コミッティーは、おそらくペンシルベニア州フィラデルフィア出身のグループで、現ルネッサンスのジェフリー・ラングリーが中心となって12年に結成され、13年にファースト・アルバム「ライフブラッド・サーム」をリリースした。本作は、23年に自主制作盤としてリリースされたセカンド・アルバムで、前作からのジェフリー、ジャスティン・カールトン、リッチモンド・カールトン、ジョー・ヘンダーソンの4人に、ジェフ・ビショップを加えた5人編成が基本と思われ、曲によってローラ・ランブリー、御大アニー・ハズラムが適時ゲスト参加、ジェフリーとビショップの共同プロデュース。概ね、イエス、ジェネシス、キャメル辺りのプログレ感を軸としたシンフォニック調サウンドを展開していて、その線の70年代回顧方面の情感と、高速パッセージも交えた当世風プログレのソリッドなセンスが、わりといい塩梅のバランスで交叉。曲によってはジェントル・ジャイアント的なジャジーさや、アニーが参加した曲ではルネッサンス的な抒情も見せるが、基調はあくまでバカテクな情感プログレという感じで、その意味では例えば、スポックス・ビアードやトランスアトランティック方面の次世代型ともいえるのかも知れない。楽曲は基本キャッチーでメロディアスだが、どの曲もツボを押さえた派手な盛り上がりでオチが付くタイプというか、ある程度バンド感が担保されたアンサンブルはソツがなくタイトで、全体にスマートでプロフレ然とした印象。日本のシンフォニック・プログレ系愛好家には、けっこう琴線に触れる好盤と思う。余談だが、本作はビショップがエンジニアを務めるニュージャージー州マリカ・ヒルのポーン・ショップ・スタジオでレコーディングされていて、もしかしてバンドごと拠点を移したした可能性もある。
輸入盤
(Progressive/Symphonic / Digi-Pack CD(2023) / Slobbity Bobbity Music/USA)