カナダのユニ・ディスクから、限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様、(おそらく)06年新規リマスター盤、プレス年代は不明でよく判らない。オピュス・サンクはおそらくケベック州モントリオール出身のグループで、76年に本作をカナダのセレブレイションからリリース、ライヴ活動もそれなりに行っていたようだが、77年にレコーディングしたセカンドがオクラ入となって(89年に発掘音源集としてリリース)、78年頃に解散した。メンバーは、オリヴィエ・デュプレシ、リュック・ゴーチエ、セルジュ・ノーレ、レオン・ラシーヌ、ジャン・ピエール・ラシーコの5人編成で、プロデュースはボブ・モルテン。例えば、同じケベック州のアルモニウムをもう少しプログレ寄りにしたような感じの、まろやかでメロディアスなシンフォニック・プログレを展開していて、特にボーカルやフルートの柔らかいメロディと湿った哀愁は、セルジュ・フィオリのセンスに通底する印象。ピアノ、フルート、ギターを軸としたアンサンブルは、線は細いが適度にドラマティックで、キャッチー過ぎないジャジーさの歌モノ的メロディと、ちょっとベタで小賢しいプログレ調アレンジとのマッチングは面白い。クラシカルなリリカルさのピアノと、ジェントリーなフランス語ボーカルの相性は悪くなく、それなりに場面転換の多い詰込型の畳み掛ける展開もハマっていて、全体に演奏も安定していて流暢。それ程派手ではなく少しインパクトには欠けるかも知れないが、エレガントなプログレ的哀愁が流していて心地好く、シンフォニック・プログレ愛好家なら問題なく楽しめるだろう好盤と思う。この後、ゴーチエとラシーヌは79年にコンセールを結成。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Classical / Paper-Sleeve CD(2006 Re-master) / Unidisc/Canada)