UKのマッドフィッシュから、デジパックのリリース。ジェーン・ゲッターはニュー・ヨークを拠点とする女性ギタリストで、ミハル・ウルバニアクのバックやサタデー・ナイト・ライヴ・バンド等での活動で知られていると思う。98年からソロ活動も開始、14年には旦那さんのアダム・ホルツマン(ex,マイルス・デイヴィス,トライフェクタ,スティーヴン・ウィルソン・バンド,etc)とともに自身のバンドのジェーン・ゲッター・プレモニション(JGP)を結成した。本作は、15年にリリースされたJGPのファースト・アルバムで、メンバーは、ジェーン、ホルツマン、ブライアン・ベラー(ex.ジ・アリストクラッツ,マイク・ケネリー・バンド,etc)、チャド・ワッカーマン(ex.フランク・ザッパ,i.o.u.,etc)の4人編成を基本に、曲によってアレックス・スコルニック(ex.テスタメント,PAKT,etc)、テオ・トラヴィス(ex.トラヴィス&フリップ,ソフト・マシーン,ゴング,etc)、コリー・グローバー(ex.リヴィング・カラー,etc)等々が適時ゲスト参加、ジェーンとホルツマンの共同プロデュース。ワッカーマン在籍時のザッパやi.o.u.方面のバカテク系フュージョン・プログレ調の演奏と、ポーキュパイン・トゥリーやスティーヴン・ウィルソン・バンド方面のポスト・ロック・プログレ調の楽曲が交叉する、わりと独特のサウンドを展開。当世風プログレの中にあっては、イエスやジャネシス方面を基調とするペンドラゴンやフラワーキングス方面とは趣を異にしていて、かといってポーキュパイン・トゥリー文脈からのキング・クリムゾンやジャパン方面的要素一色という程でもなく、全体が結果としてバカテク・フュージョン色に収束していて面白い。もしかして、ポスト・ロック調のアラン・ホールズワースという例えが、一番近いかも知れない。
輸入盤
(Progressive/Post Rock,Fusion,Symphonic / Digi-Pack CD(2015) / Madfish/UK)