ドイツのワールド・イン・サウンドからのリリース。フレッドはペンシルヴェニア州ルイスバーグ出身のグループで、バックネル大学の学生達によって69年に結成されている。71年に7インチEPを1枚リリースしたが、アルバムをリリースすることなく74年頃には解散したようだ。プログレ系リスナーには、この後渡仏してトランジット・エクスプレスやカトリーヌ・リベロ+アルペスで活動する、デヴィッド・ローズが在籍していたことで知られているかも知れない。本作は、71~73年における未発表スタジオ&前述のシングル音源をコンパイルした発掘音源盤で、メンバーは、ローズ、ジョー・デ・クリストファー、ケン・プライス、マイク・ロビソン、ボ・フォックスの5人編成を基本に、1曲でピーター・エガースのゲスト参加がある。概ね、ヴァイオリンとギターを軸としたプログレ感十分のサウンドを展開していて、サイケ、シンフォニック、ブルース、スワンプ等々の要素がゴッタ煮で混在。いわゆるローカルなインディー・バンドで、メジャー・レーベル作品のような洗練感はないが、前述のゴッタ煮的楽曲を、濃密なアレンジと上手い演奏で練り上げていて、ボーカルの煮え切らなさを除けば自主制作水準は完全に超えている印象。全体に、イモっぽさとインテリ感が妙な塩梅で同居していて、けっこう味わい深い好盤と思う。ともかくも、少しサイケ色のあるヴァイオリン入プログレ系として、ハミ出し感があって面白い。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Psyche,Blues,Swamp / Jewel-case CD(2001) / World In Sound/German)