USAのレーザーズ・エッジから、ペーパースリーヴでのリリース。紙ジャケ仕様。アイはおそらくオハイオ州コロンバス出身のグループで、元ザ・プリティ・ウェポンズのブランドン・スミスとマシュー・オクシエ、元デッドシーのアダム・スミス等が中心となって10年頃に結成されている。本作は、16年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、ブランドン、ジョン・フィンリー、リサ・ベラ・ドナ、マイケル・スリクレンの4人編成を基本に、曲によってエイミー・ミシェル・ホフマン、オクシエが適時ゲスト参加。前作からブランドン以外のメンバーが交代していて、スペイシーなテイストとメロトロン使用はある程度担保しつつも、わりとハード&メタル方面にシフトした印象。よりカッチリとテクニカルになった演奏と、ゴリゴリ系のリフ&フレーズを基調とした畳み掛けるアレンジ、メロディアスさを内包するヘヴィ・シンフォ調の楽曲の組み合わせは、ポスト・ロック以降のプログレ的センスという感じで、プログレ色とハード色がいい塩梅で交叉。全体に、インスト・パートの濃密なアンサンブルと薄いボーカルのバランスが結果として悪くなく、ザクザク系のタテノリなリズムとスペイシーなサイケ調の情感がスタイリッシュな空気感に収束していて、ピンク・フロイド的であまりしつこくない抒情性のハマりもよい。この線のテクニカル・ヘヴィ・シンフォニック系としては素直にカッコいい好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Hard,Heavy Symphonic,Electronics / Paper-Sleeve CD(2016) / Laser's Edge/USA)