カナダのプログケベック/ムジーク・プログレッソンからのリリース。エクスキュバスはケベック州モントリオール出身のグループで、ミシャル・ファヌーフとレオ・エングランが中心となって70年に結成されている。当時のバンド名はインキュバスで、オッフェンバッハやマッシュマッカーンの前座など精力的なライヴ活動の末、74年1月にフランスのエルヴィル城スタジオでレコーディングしたが、結局リリースすることなく解散した。本作は、その74年音源からの4曲に、07~08年に再集結して当時の曲を録り直した4曲を加えたアルバムで、メンバーは、74年がファヌーフ、エングラン、マルク・デラージュ、ピエール・プーレの4人編成、07~08年がファヌーフ、エングラン、デラージュ、アンドレ・バリエール、クロード・ファヌーフの5人編成。概ね、どちらの時期もオルガンを軸としたヘヴィ・シンフォニック調サウンドを展開していて、クラシカルなダークネスやドカドカのヘヴィネスは、わりとイタリアン・プログレに近似する印象。07~08年も70年代当時の曲ということもあってか、サウンドメイキングも含め曲調が統一されていて、74年とほとんど違和感なく、トータルで1枚のアルバムとして聴ける。いかにもプログレ然としたオルガンとメロトロン、ハード調のギター、重いリズム隊による演奏と、様式美的ドラマティックさの楽曲&アレンジとのマッチングもよく、この線としてはなかなかの好盤と思う。余談だが、本作をリリースする際に、著名オルタナ系バンドのインキュバスとの重複を避けて、エクスキュバス名義としたらしい。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Heavy Symphonic / Jewel-case CD(2008) / ProgQuebec/Canada)