ドイツのペイズリー・プレスから、23年リマスターでのリシュー。多分初CD化。バウンティはカリフォルニア州出身のグループで、マルチ奏者のスティーヴ・ハートマンとアラン・ミンツが中心となって70年代中頃に結成された。本作は、81年にUSAのH・アーツからプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバムだが、レコーディングは77年で、リリース時には既にバンドとしての実態はなかったようだ。メンバーは、ハートマン、ミンツ、デイヴ・シェフのトリオ編成を基本に、曲によってギターのロン・フレッシュマンが適時参加。ピアノ&シンセを軸に華麗に動き回るキーボードと、弾き倒し感&叩きまくり感満点のベース&ドラムが爆発する、シンフォニック・プログレとジャズ・ロックの狭間的サウンドを展開。概ね、ELPタイプのキーボード・トリオに、時折ギターも絡むスタイルで、B級感内包のクラシカルなリフ&フレーズ、場面転換過多のシンフォニックなアレンジ、ジャズ・ロック調の演奏が、わりと独特のマッチングで交叉。何というか、ELP的なキーボードとイエス的なベースのベタな組み合わせは、勿論その強引さが自主制作然としたキテレツなハミ出し感を生んではいるが、往年のプログレ愛好家にはそこもけっこうツボかも知れず、全体を覆う妙な味わいが結果として面白かったりする。次々と畳み掛ける構成と過剰なアイデアの詰め込みは、かなりめまぐるしいが非常に濃密で、アンサンブルA級センスB級の掘出し物的好盤かも知れない。本作制作後、シェフはトランスレイター、ウインター・アワーズへ、ミンツはジフレン・ブリッテンハム&ブランカを経て、90年代にハートマンとバウンティを再編した。
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輸入盤
(Progressive/Symphonic,Jazz Rock / Jewel-case CD(2023 Re-master) / Paisley Press/German)