ドイツのレパートリーから、06年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。音質はクリアかつ中低音の迫力があって非常によい。オリジナル通りの髑髏の上に花束がある縦型見開き紙ジャケ仕様で、ブックレット付。スティル・ライフは、メンバー・クレジットのない正体不明の謎多きグループで、本作は71年にUKヴァーティゴからリリースされた唯一のアルバム。プロデュースのステファン・ショーン以外のクレジットはないが、何よりキーフのデザインによるインパクトの強いスリーヴとヴァーティゴからのリリースということで、ブリティッシュ・ロック愛好家やコレクターに一定の人気のある1枚。流暢なハモンド・オルガンがともかくもカッコいい、ダーク&ヘヴィなプログレ系サウンドを展開していて、ある意味ヴァーティゴのレーベル・カラーを代表する感じの、アングラ・ブリティッシュ・ロックまたはオルガン・ロック。例えば、ニドロドグの「レディ・レイク」辺りに通じるブリティッシュ然としたヘヴィネスとアングラ感、初期ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレター辺りに通じるサイケなダーク感はほぼ満点で、どっしりと重くて太い重厚さは手応え十分。枯れたくぐもり感を放つオルガンは勿論、意外に上等なボーカル、派手ではないが雰囲気のよいリズム隊による演奏はバンド感があって、ダークだが哀愁のある楽曲も素直にカッコいい。いわゆるブリティッシュ・ロック愛好家はいうに及ばず、オルガン・ロック好きならまずもって楽しめるだろう文句なしの好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Heavy Symphonic / Paper-Sleeve CD(2006 Re-master) / Repertoire/German)