UK/EUのエステリック・アンテナから、デジパックでのリリース。国内のIACミュージックが輸入盤にオビ・解説を付けた国内流通盤。ピーター・ハミルはロンドン出身のシンガー&シンガー・ソング・ライター(SSW)で、何よりヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター(VDGG)のリーダーとして知られていると思う。ソロとVDGGで現在も現役で活動を続ける孤高の巨人。本作は、26年にエステリック・アンテナからリリースされた39枚目のソロ名義アルバムで、邦題は「ティアーズ・イン・タイム - 時の涙」、ライナーは石川真男、歌詞対訳(訳は金子みちる)。メンバーは、ボーカルと全ての楽器を熟すハミル1人による多重レコーディングを基本に、1曲でサロ・コンセンティーノ(ex.アッシャーラ,etc)がストリングス&パーカスで参加、プロデュースはハミル。21年のカヴァー集「イン・トランスレーション」から5年、オリジナル曲作品としては17年「フロム・ザ・トゥリーズ」以来9年振りで、バースの自身のスタジオ「テラ・インコグニータ」にて、91年から26年にかけてコツコツと手を加えてきたマテリアル群をエディットして制作したとある。ゆえに、30年以上の時間経過が図らずも封じ込められた形で、楽曲とシンギング自体はハミル的内省感とダークネス、ダンディズム十分ながら、バック・トラックの音色やアレンジには90,00,10,20各年代の時代性が交叉していて、その辺りがけっこう面白くて味わい深い印象。結果として濃密で、結局いつものハミル調を堪能出来る好盤と思う。
IACミュージック盤
(Progressive/Psyche,Post Rock / Digi-Pack CD(2026) / IAC Music,Esoteric Antenna/Japan,UK,EU)