UKのパネジェリクから、19年リマスター&レストアでのリリース。キング・クリムゾンは、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップを母体として、イアン・マクドナルドやグレッグ・レイクが加入する形で68年にロンドンで結成されたグループで、解説不要のビッグ・ネーム。本作は、タイトル通り72年12月8日にニューカッスルのオデオンで行われたライヴ音源を収録した発掘ライヴ盤で、オフィシャル・ブートレグ・シリーズ「ザ・キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ」の48番。メンバーは、ロバート・フリップ、デヴィッド・クロス、ジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォード、ジェイミー・ミューアの5人編成で、サウンドボード録音のカセット・テープ・マスターを、共同プロデュースのデヴィッド・シングルトンとアレックス・マンディがリマスタリング&レストアして制作。いわゆる『ロード・トゥ・太陽と戦慄』の最終段階の時期で、「太陽と戦慄」収録曲全曲の、ほぼスタジオ盤ヴァージョンに近いアレンジの演奏を堪能出来る。「土曜日の本」と「逃亡者」、「イージー・マネー」と「トーキング・ドラム」をそれぞれ繋ぐ2つのインプロは、ミューアが縦に横にと自由に暴れ回っていて、全体の炸裂感や盛り上がりも非常に圧巻。また、どの曲も部分的にはミューアが浮いている感じで、そのミスマッチさが異様なテンションを生んでいる印象もあって、そこがまた面白かったりする。カセット・テープが足りなくなったからなのか、ラストの「太陽と戦慄パート2」の最後が切れてしまっているが、コンサートの全体像は十分に把握出来る。ともかくも素直にカッコよく、わりと文句なしの好ライヴ盤と思う。EUプレス盤
輸入盤
(Progressive/Psyche,Experimental / Jewel-case CD(2019 Re-master) / Panegyric/UK,EU)