ドイツ/UKのレパートリーから、04年の紙ジャケ盤と同じリマスター音源を使用しての、新規ライナー・ノーツ&デジパックでのリシュー。音質はクリアかつ迫力があって非常によい。ジェード・ウォリアーは、元ジュライのトニー・ダーハイとジョン・フィールドが中心となって、69年にロンドンで結成されたグループで、ヴァーティゴ時代は、ブリティッシュ然としたくぐもった情感に、アフリカン・パーカスを使ったエスニック色やジャジーなブルース色が交叉する独特のサウンドを、アイランド時代はさらにアンビエント&ミニマル色を絡めたサウンドを展開した特異なバンド。本作は、70年にUKヴァーティゴからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ダーハイ、フィールド、グレン・ハヴァードのドラムレスの変則トリオ編成。ブルージー&ドローンなギターとジャジーなフルート、トーキング・ドラムを多用するアフリカン・テイストのパーカスを組み合わせた、かなり独特のサウンド。トラッドやブルースを基調とした、アシッド・フォーク的プログレ調とハード・ロック調に大別される印象で、特に「旅人」や「蜻蛉の日」、「風織人」で聴けるのドローン・ギターのストロークやアルペジオの響きは絶品。「ア・プレノーマル~」、「ペチュニア」、「テレフォン・ガール」辺りのブルージーな変則ハード・ロック・ナンバーも妙なカッコよさがあって、B級の捨て難い味わい十分。美しい歌詞の世界と楽曲・演奏が一体となった、スリーヴのイメージそのままの心地好いお伽噺的感覚と浮遊感が、ナイスなセンスで絶妙の雰囲気を演出する。正しくサイケで確実に時間の流れと空気の色が変わる、およそ文句なしの好盤と思う。素晴らしい!。TESオビ・解説付
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Blues,Folk / Digi-Pack CD(2014 '04Re-master) / Repertoire/German,UK)