UKのサンビーム・レコードから、21年リマスター&デジパックでのリリース。キャタピラは、ルイス・ラローズ、ロバート・カルヴァート(ex.マザー・ゴング,etc)、デイヴ・テイラー(ex.ライアー,etc)等が中心となって69年にロンドンで結成されたグループで、結成当初のボーカルはレディ・ジョ・ミーク(ex.ジュリアン・ジェイ・サヴァリン,ジュリアンズ・トリートメント,etc)だったが、70年頃には姉妹のアンナ・ミークに交代したようだ。本作は、70年のリハーサル音源を収録した初出発掘盤で、メンバーは、カルヴァート、テイラー、ジョ・ミーク、バリー・クラーク(ex.プッシー,etc)、ヒュー・イーグルストーン、ティエリ・ラインハルト、マルコム・フリスの7人編成。71年ファースト「キャタピラ」以前というか、クラークが所蔵していた幻のジョ在籍時の音源で、ブックレットの中スリーヴにはジョが写っているメンバー写真が掲載されていて、一部の巷で根強かったジョとアンナ同一人物説はこれで吹き飛んだ。ファーストに収録される1,2曲目と、9曲目のトラフィックのカヴァー以外は未発表曲で、アート・ロック色とジャズ・ロック色が交叉する、ブラス・サイケ・プログレ調サウンドを展開。ジョの曲目紹介やMCからすると、オーディエンスの有無は判らないが少なくともライヴ演奏と思われ、ジョの達者なボーカルを軸とした幾分シアトリカルなアレンジと、ラウドだがそれなりに熟れたアンサンブルが、サイケとプログレの折衷的アングラ感に収束していて面白い。クラーク本人がリマスタリングした音質&バランスはともに悪くなく、B級ブリティッシュ系愛好家ならチェックしてみてもいいかも知れないと思う。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Jazz Rock / Digi-Pack CD(2022 '21Re-master) / Sunbeam/UK)