ドイツのレパートリーから、10年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様で、音質はクリアで迫力もあって非常によい。クレシダは、ピーター・ジェニングスの奏でる枯れオルガンの響きが何とも淡い郷愁を感じさせる、線の細い独特の雰囲気を醸し出すグループで、ジョン・ヘイワースがザ・ドミネーターズに加わる形で68年にロンドンで結成された。本作は、71年にUKヴァーティゴからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは前作からのジェニングス、アンガス・クレン、ケヴィン・マッカーシー、イアン・クラークの4人に、新たにジョン・クーリーを加えた5人編成だが、曲によってハロルド・マクネアが適時ゲスト参加、オーケストレーションはグレアム・ホール、プロデュースはオジー・バーン、スリーヴ・デザインはキーフ。『戦争と平和』をテーマとしたコンセプト・アルバムで、アルバム・タイトルが「収容所」、38年の『ミュンヘン協定』や70年の『プラハの春』の挫折をモチーフとしたナンバーなどがあって、歌詞はかなり重たい内容だが、実際のサウンドはそれ程ヘヴィな印象はない。相変わらず頼りなげなボーカルと枯れたオルガンを軸とした寸止め感は健在で、ゲストのフルートも含め、ジャジーな哀愁と場面転換の多いアレンジが軸のプログレ然とした仕上がり。前作同様に、ブリティッシュ然としたくぐもり感と枯れた味わいの淡い郷愁感、独特の線の細さが何とも心地好い、不思議な浮遊感を放つオルガン・ロックの好盤と思う。この後クラークはユーライア・ヒープ、マッカーシーはトランキリティへ。
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(Progressive/Psyche,Symphonic / Paper-Sleeve CD(2010 Re-master) / Repertoire/German)