国内のフォース・ハンド・レコードから、折込6面開きデジスリーヴでのリリース。テンイレヴン・ザ・デュオは、是巨人やサンヘドリン、返シドメ等のナスノミツル(ex.アルタード・ステーツ,不失者,etc)と吉田達也(ex.ルインズ,高円寺百景,etc)が、新たに結成したデュオ・ユニットで、本作は21年にリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、ベース＆デヴァイスのナスノとドラムの吉田のデュオ編成で、シーケンサー、エフェクトをカマせたベース、叩きまくるドラムが交叉するエレクトロニクス・プログレ方面のサウンドを展開。ミニマリスティックなシーケンサーとベースが、ループを重ねねがら構築する重層的な空間に、饒舌なドラムが隙間を埋め、ノイズ・フラグメントやシンセ、エフェクティヴなベースが浮遊するスタイルで、全体に漂う近未来SF的ダーク感も含め、わりとエルドンやリシャール・ピナスのソロ辺りにも近似する印象。ギターが入らず変拍子も交え、テクニカルで高速パッセージも多く、その意味ではエルドンとは違うアプローチだが、SEや環境音も含めたサウンドスケープがSF的ニュアンスに収束していて、結果としてエルドン調のインダストリアル色と文学色が交叉。共に東北出身者として、東日本大震災への思いの丈を練り込んだであろう、激しくもクールなエレクトロニクス・プログレ系好盤と思う。
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フォース・ハンド・レコード盤
(Progressive/Psyche,Post Rock,Electronics / Digi-Sleeve CD(2021) / forth hand records/Japan)
