イタリア/EUのヘヴィ・サイケ・サウンドから、3面開きデジパックでのリシュー。ソニック・フラワーは、名古屋市出身の三上達人(ex.チャーチ・オブ・ミザリー,スカル・ピット,ゲイツ,etc)が、チャーチ・オブ・ミザリーと並行して01年に結成したグループ。本作は、03年に日本のリーフ・ハウンド・レコードからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、三上、星武典(ex.チャーチ・オブ・ミザリー,etc)、深川圭佑(ex.スカル・ピット,ゲイツ,etc)、アリサの4人編成。たっぷりとファズを効かせたツイン・ギターとベース、わりと手数の多いドカドカ系のドラムによる炸裂インスト・ハード方面で、明らかに60年代末~70年代調のクサレ・サイケ・ハード系テイストを狙っている印象。ブルース基調のリフ&フレーズ、ファズのカマせ具合、ヘヴィなギラギラ感はサイケ・マナー十分で、それを全員弾きまくり&叩きまくりスタイルのハード・ロック・マナー満点の演奏で展開。ある程度の自由さを担保しつつも、ちゃんとアレンジを練っていて長尺インプロは避けている感じで、5分程度のコンパクトな時間の中で思いっきり炸裂しまくる手法。もしかして、このテンションの高さは長尺では続かないということもあったのかも知れないが、全体の一体感を保ちながらも各パートがそれぞれスッキリと聴こえるという、けっこう洗練されたサウンド・メイキングは、むしろ意図的にコンパクトな方向をチョイスしたということなのかも知れない。例えば、サバート・ブレイズ辺りとは違ったバンド感だが、火を噴くような爆発感はともかくも圧巻で、サイケ&ハード系愛好家ならまずもって楽しめるだろう、素直にカッコいい好盤と思う。
輸入盤
(Psyche Hard/Heavy Psyche,Blues / Digi-Pack CD(2021) / Heavy Psyche Sounds/Italy,EU)