国内のR・レコードから、ボーナス1曲を加えての、限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、19年新規リマスター盤。リョーケストラは、サックスルインズや学生実験室等で活動する小埜涼子が中心となって、17年に名古屋で新たに結成されたユニット。本作は、18年にR・レコードからリリースされたファースト・アルバムで、初回プレス完売に伴い、ボーナス曲(8曲目)も含め19年に追加レコーディングを行って、小埜涼子が自らリマスタリング&ミックスを施したリマスター・ヴァージョンでの再発盤。メンバーは、小埜涼子、白木佐也加、松田大二郎(ex.アトミック・トルネード,etc)、臼井康浩(ex.ことりや,藤井郷子オーケストラ,etc)、武藤祐志(ex.石黒ケイ,ネクスト・ドア,etc)、石垣篤友(ex.藤井郷子オーケストラ,etc)、片桐伸和の7人編成を基本に、曲によって谷向柚美がボーカルで適時ゲスト参加。概ね、マグマ方面のズール・ジャズ・ロックを基調に、変拍子多用バカテク・プログレ色、RIO系変態チェンバー・ロック色、ジェントル・ジャイアント的ポリリズム・コーラス、デス・メタル調ヴォイス等を絡めたサウンドを展開。わりとキレキレの演奏はハイテンションで上手く、小難しいリフやフレーズ、キメを、一糸乱れぬアンサンブルで難なく熟していて、重厚さと濃密さは素直にカッコよくて圧巻。全体に漂うオルタナ的硬質感も含め、例えば高円寺百景、ルインズ、是巨人といった、吉田達也方面に近似する印象で、その線の愛好家には素直にツボの好盤と思う。
R・レコード盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Progressive/Zeuhl Jazz Rock,RIO,Junk / Paper-Sleeve CD(2019 Re-master) / R-Records/Japan)