国内のダルバザ・レコードから、紙ジャケ仕様でのリシュー。アウトは札幌出身のグループで、橋本昌徳(カーマ,やぎ,ウルトラ・ヘヴン,etc)と渡部徹(ライナスの毛布,アイアイアー,etc)が中心となって12年に結成されている。本作は、20年にリリースされたファースト・アルバムで、カン・バッジのオマケ付。メンバーは、橋本、渡部、岡田亜土(パラフレーズ,カーマ,ウルトラ・ヘヴン,etc)のトリオ編成を基本に、1曲でエンジニアを務めたナガミジンがラップ・スティール・ギターでゲスト参加、バンドとケンタローの共同プロデュース。概ね、パンキッシュなラウドネスとポスト・ロック的サイケ感が交叉するサウンドを展開していて、演奏はパンク、着想はサイケという印象で、本人達はポスト・パンク系と自称している模様。ノイジーでキレのよいギターとオルタナ系のスタイリッシュなボーカルの橋本、ブハブハ&モコモコのベースとガナリ系ボーカルの渡部の、クールさとホットさがある意味好対照で、そこにシンプルで重い岡田のドラムが相俟って、結果として妙なバンド感とノリが生じている感じ。50代後半に差し掛かってのこのパワーは中々のもので、ともかくも橋本の上等なギターとボーカルを軸としたカっ飛ばし的演奏は素直にカッコよく、ポスト・ロック/ポスト・パンク系の自主制作盤としては上々の仕上がりと思う。
ダルバザ・レコード盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Psyche/Post Rock,Punk,Post Punk / Paper-Sleeve CD(2020) / Derweze Records/Japan)