ドイツのクアドラティッシュ・レコードから、3面開きデジパックでのリリース。シュテールはおそらくハノーヴァー出身のグループで、クアドラティッシュのレーベル主宰者でもあるギタリストのダニエル・S・ショルツが中心となって08年に結成されている。本作は、13年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのショルツ、クラウス・M・エッシャー、クサーヴァー・フックス、ピット・マークアルトの4人に、新たにジーモン・デーチュを加えた5人編成、プロデュースはショルツ。概ね、前作の延長線上にあるチェンバー・ジャズ・ロック路線変わらずだが、若干カンタベリー・テイストが薄れポスト・ロック的ソリッド感が増している印象。トランペッターが交代したこともあってなのか、演奏はジャズ・マナーが後退してチェンバー・ロック調のギスギス感が前面に顕われ、前作ではエレピ中心だったキーボードも変テコな音色のシンセをノリノリで弾いていて、ギターも歪んだ音色が多くよりハードになっている感じ。アレンジはスッキリとタイトな方向で、楽曲はメロディアスさを担保しつつRIO系のストレンジなニュアンスに収束していて、さりげなく上手い引き締まったアンサンブルは素直にカッコいい。とはいえ、フロント楽器群とリズム隊のつかず離れずの間合いは相変わらずで、ストレートに一体となって盛り上がるのとはちょっと違う独特のバンド感が、このバンドの味わいと個性を生んでいて、その辺りも面白く楽しめる好盤と思う。尚、エッシャー以外の4人は、ショルツを軸にエゴ・スーパー、ダッシュ2、アル・ア・マラカ、ディー・ダニエル・ゼバスチャン・ショルツ・ビッグ・バンド等々で同時並行的に活動している。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz Rock,Chamber Rock,Post Rock / Digi-Pack CD(2013) / Quadratisch Rekords/German)