ドイツのビー・フリー・レコードから、ブック型デジパックでのリリース。ハンス・コラーはオーストルアのウィーン出身のサックス奏者で、ウィーン大学卒業後ドイツ兵として徴兵され第二次世界大戦を経験、終戦後にウィーンに戻りオーストリアとドイツを中心に活動した。ユタ・ヒップ、アッティラ・ゾラー、アルベルト・マンゲルスドルフ等々と共に、50年代以降のユーロ・ジャズを牽引したビッグ・ネームの1人。本作は、74年5月15日のケルンでのライヴ音源を収録した初出発掘音源盤で、ハンス・コラー・フリー・サウンド名義でのリリース。メンバーは、コラー、ヴォルフガング・ダウナー、スビグニェフ・ザイフェルト、アーデルハルト・ロイディンガー、ヤヌシュ・ステファンスキの5人編成。74年にクンストコプフィンディアナー(Kunstkopfindianer)名義でリリースされた同名アルバムと同じメンバーで、楽曲も同名アルバム収録曲をインプロを交えたアレンジで展開。概ね、フリー・ジャズの範疇に入る即興を核とした演奏なのだが、随所でワウをカマせるヴァイオリンと、リズムや音色で異様なハミ出しを見せるキーボードの変態振りが大炸裂していて、リーダーのサックスより全然目立っている印象。ドライヴするウッドベースと鋭角なドラムのリズム隊も、ヴァイオリンとキーボードに負けじと暴れ回っていて、ロック的テンションの演奏はともかくもカッコよくて圧巻。部分的には正体不明の民族音楽色やエキゾティックな要素も顔を覗かせていて、その線ではジャズ寄りで上手いエンブリオといった趣も感じられる好盤と思う。カッコよし!。
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輸入盤
(Progressive/Free Jazz,Psyche / Digi-Pack CD(2017) / Be Free/German)