国内のマーキー/ベル・アンティークから、SHM-CD&25年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、オリジナル・インサート入、リマスタリングとSHM-CDでサウンドに奥行きが出ている。バカマルテは、リオ・デ・ジャネイロ出身のグループで、マリオ・ネトが中心となって74年に結成されている。83年に本作「終末の後」をブラジルのソム・アルテから自主制作盤としてリリース後84年に解散、99年にネトが実質ソロ・アルバムをバカマルテ名義でリリース、2012年以降は再編ライヴを断続的に行なっている。メンバーは、ネト、セルヒオ・ヴィラリム、マルカス・モウラ、デルト・シマス、マルコ・フェリッシモ、ミスター・パウル、ジェーン・デュボックの7人編成で、プロデュースはネト。リリースは83年だがレコーディングは79年らしく、多彩なギター&ヴァイオリンを軸としたヘヴィ・シンフォニック・プログレを展開。複雑な構成と畳み掛けるアレンジと、メロディアスで完成度の高い楽曲はかなり上等で、技巧的だが速弾きに独特のクセとヨレのあるアコースティック&エレキ・ギター、リリカルなフルート、クラシック調のキーボード、クッキリした女性ボーカル、弾きまくり&叩きまくりのベース&ドラムによる演奏も非常に濃密。日本で紹介された当時は、一部のプログレ巷で『ブラジルのPFM』と呼んで盛り上がったが、いわゆる南米的B級感は薄く、概ねイタリアン&スパニッシュ・プログレのプログレ感に近い印象。シンフォニック系愛好家なら素直に楽しめる好盤と思う。
マーキー盤/国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Progressive/Heavy Symphonic / Paper-Sleeve SHM-CD(2025 Re-master) / Belle Antique/Japan)