ノルウェーのカリスマ・レコードからのリシュー。ウォブラーは、ホワイト・ウィロー、タスメルケ、ディオニソス等々のメンバー達が、99年にヘーネフォスで結成したグループで、ヴィンテージ楽器・機材を多く使って60&70年代感を出すというコンセプトがあったらしい。本作は、09年にノルウェーのテルモ・レコードからリリースされたセカンド・アルバで、15年パンクロマティック盤CD時のリマスター&リミックス音源。メンバーは、前作と同じトニー・ヨハンネスン、モッテン・アンドレアス・エーリクセン、ラーシュ・フレドリク・フレイスリ、クリスティアン・カール・フルトグレン、マルティン・ノルドルム・クネッペンの5人編成を基本に、曲によってオーゲ・モルケ・ショウ、ケティル・ヴェーストラム・エイナルセン、シーグルン・エングが適時ゲスト参加、プロデュースはフレドリク・フレイスリ。前作の洪水メロトロンと70年代的サウンド・メイキング、プログレ然とした畳み掛けるアレンジ等々は担保しつつも、楽曲のメロディやリフ&フレーズのあからさまなイエス、ジェントル・ジャイアント、初期ジェネシス&キング・クリムゾン的要素は薄れ、代わりに中世古楽調やバロック期のクラシック調、地中海音楽調の他、イタリアン・プログレ的ヘヴィネスが前面に顕われている印象。これらの要素がモザイクのように組み合わされた、ゴッタ煮のようでいてわりと計算ずくの配置というか、スコア譜通りの一糸乱れぬアンサンブルは非常に濃密で、ダイナミズムの効いたドラマティックなプログレ感は素直に圧巻。音色や雰囲気の70年代感のハマりも十分で、前作同様に70年代懐古型当世風ヘヴィ・シンフォニック系の線として好盤と思う。この中世古楽色は、ともかくも面白い。
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輸入盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Medieval Trad / Jewel-case CD(2021 '15Re-master&Remix) / Karisma Records/Norway)