フィンランドのスヴァルト・レコードから、未発表ライヴ音源1曲をボーナスで加えての2CDでのリリース。音質はクリアで迫力もあってよい。タサヴァラン・プレジデンティはヘルシンキ出身のグループ(フィンランドとイギリスの混成)で、元ヘルプのユッカ・トロネン(ex.エドヴァルド・ヴェサラ,ユッカ・トロネン・バンド,etc)とヴェサ・アールトネン(ex.メイド・イン・スウェーデン,ザ・グループ,etc)が中心となって69年に結成されている。トロネンの知名度も手伝って、日本でもわりと知られたフィニッシュ・プログレ系のビッグネームの1つ。本作は、タイトル通り71年8月22日のルイスロック野外フェスティヴァル(会場はスオミ県トゥルク)でのライヴ音源を収録した発掘ライヴ盤で、ボーナス収録の71年12月5日ヘルシンキのフィンランディア・ホールでのライヴ音源も含め、おそらく初出というか初オフィシャル・リリース。メンバーは、トロネン、アールトネン、マンズ・グラウンドストローム(ex.ブルース・セクション,エドヴァルド・ヴェサラ,ウィグワム,etc)、フランク・ロブソン(ex.ブルース・セクション,モザイク,etc)、ペッカ・ポユリュ(ex.ペッカ・ポユリュ・クァルテット,ウィグワム,etc)の5人編成。1曲目(とディスク2のボーナス曲)は、この後サード「ランベルトランド」に収録される「ザ・バーゲン」の原曲、2曲目はトロネンのソロ・アルバム収録曲のメドレー、3曲目はフランク・ザッパの「キング・コング」のカヴァーと「ランベルトランド」収録曲のメドレーで、インプロを軸としたハイテンションの演奏を堪能出来る。ジャズ・ロック、サイケ、プログレ、ハードの要素がゴッタ煮で交叉する、セッショッン感が担保されたアンサンブルは素直にカッコよく、濃密なバンド感の好ライヴ盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Blues,Psyche,Hard / Jewel-case 2CD(2024) / Svart Records/Finland)