フィンランドのスヴァルト・レコードからのリリース。音質はクリアで迫力もあってよい。タサヴァラン・プレジデンティはヘルシンキ出身のグループ(フィンランドとイギリスの混成)で、元ヘルプのユッカ・トロネン(ex.エドヴァルド・ヴェサラ,ユッカ・トロネン・バンド,etc)とヴェサ・アールトネン(ex.メイド・イン・スウェーデン,ザ・グループ,etc)が中心となって69年に結成されている。トロネンの知名度も手伝って、日本でもわりと知られたフィニッシュ・プログレ系のビッグネームの1つ。本作は、タイトル通り71年秋のフィンヴォックス・スタジオでのセッションを収録した発掘音源盤で、全て初出音源。メンバーは、トロネン、アールトネン、マンズ・グラウンドストローム(ex.ブルース・セクション,エドヴァルド・ヴェサラ,ウィグワム,etc)、ペッカ・ポユリュ(ex.ペッカ・ポユリュ・クァルテット,ウィグワム,etc)、フランク・ロブソン(ex.ブルース・セクション,モザイク,etc)の5人編成(ロブソンは2曲目のみ)。72年「ランバートランド」収録曲の原曲的な2,3曲目、73年のトロネンのソロ「サマー・ゲームス」に収録される1曲目、未発表曲の4曲目という計4曲で、インプロを交えた緊張感十分の炸裂する演奏を堪能出来る。特に1~3曲目はある程度出来上がっている印象で、キメや構成もビシバシとハマっていて素直にカッコよく、中でもドカスカのハードネスを担保しつつアイデア豊富な饒舌さで疾走するドラムは非常に圧巻。Yle(フィンランド国営放送)がプロデュースなので、おそらくラジオ放送用レコーディングだったと思われ(放送されたのかは不明)、音質・バランスも上々。わりと文句なしの好セッション音源と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Blues,Psyche,Hard / Jewel-case CD(2023) / Svart Records/Finland)