ドイツのECMレコードから、見開きデジスリーヴでのリシュー。テリエ・リピダルはオスロ出身のギタリスト兼管楽器奏者で、62年から15歳でプロ活動を開始、ヴァンガーズ、ザ・ドリーム、ミン・ブル、エソテリック・サークル等を経て、現在もECM系を代表する存在としてよく知られるビッグ・ネーム。本作は、87年にドイツECMからリリースされたテリエ・リピダル＆ザ・チェイサーズ名義唯一のアルバムで、メンバーは、リピダル、ビヨーン・シェルミール、アウドゥン・クレイヴのトリオ編成、プロデュースはマンフレート・アイヒャー。85年のリピダル名義「チェイサー」と同じメンバーでのバンド名義作品で、「チェイサー」でのロック寄りのサウンドもある程度継承されているが、よりバンド感が強くなっているというか、インプロヴィゼイションでのコール＆レスポンスがより磨かれて熟れている印象。ハード・フュージョン系ナンバーでの炸裂感は勿論、アブストラクト系のドローン・ナンバーでの揺らぎのハマりが秀逸で、ブルージー＆ムーディなバラード・ナンバーも雰囲気十分。本作でのリピダルのストラト・ギターのプレイは、時折みせる変テコなハミ出し感や、フレーズ、メロディのブルース色とジャズ・ロック色のバランス、全体の湿った音色のチョイスなどなど、80年代以降のジェフ・ベック辺りに近似する印象で、素直にカッコいい演奏がECM然としたクリアーなフュージョン・プログレ感に収束する好盤と思う。カッコよし！。
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輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Crossover,Psyche / Digi-Sleeve CD(2019) / ECM Records/German)
