スウェーデンのサイレンスから、本作のCDリシュー時には未CD化だったファーストから1曲(11曲目)と、本作レコーディング時の未発表曲2曲(10,12曲目)の、計3曲をボーナスで加えてのリシュー。サムラ・ママス・マンナはスウェーデンのウプサラ出身のグループで、ラーシュ・ホルメルやハッセ・ブリュニウソンが中心となって69年に結成されている。改名後のツァムラ・ママス・マンナや後身のフォン・ツァムラ等も含め、RIO系とも絡んだ北欧プログレのビッグ・ネームの1つ。本作は、73年にスウェーデンのサイレンスからリリースされたセカンド・アルバムで、確か邦題は「ごはんですよ」。メンバーは、前作からのホルメル、ブリュニウソン、ラーシュ・クランツの3人に、新たにギタリストのコステ・アペトレア(ex.ユッカ・トローネン・バンド,etc)が加入した4人編成。概ね、前作の延長線上にある、北欧ポルカとクレズマーを基調としたザッパ的変態プログレ路線で、新加入のアペトレアがホルメルのキーボードとブリュニウソンのドラムに負けず劣らずのギターを披露していて、完全にバンドにハマっている印象。カンタベリー的なユーモラスさやエレガントさも絡めた、コール&レスポンスを軸とした演奏性の高さ、複雑なアレンジと圧巻のインプロは文句なしに素晴らしく、饒舌でバカテクだが過剰にならないバランスの妙も見事。この、一捻りある変テコなセンスと場面転換の多い畳み掛ける展開が、楽しそうな空気感の中で涼しげに繰り広げられる様は、ともかくも非常に面白くてカッコいい。もしかして濃密さでは1番かも知れない。
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(Progressive/Jazz Rock,Strange / Jewel-case CD(1991) / Silence/Sweden)