ノルウェーのカリスマ・レコードから、19年新規リマスターでのリシュー。ルーファスは、おそらくトロンヘイム出身のグループで、ルーヌ・スンドビやシェル・ラルセン、ホーコン・グラーフ等が中心となって70年に結成されている。少なくとも80年代には日本でも紹介され始めていたので、ノルウェーのバンドの中ではある程度知られている1つかも知れない。本作は、73年にノルウェーのポリドールからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、スンドビ、ラルセン、グラーフ、ギュードゥニー・アスパース、ハンス・ペッテル・ダニエルセン、アスレ・ニルセン、トール・ベンディクセンの7人編成で、プロデュースはシュテイン・ローベルト・ルードヴィグセン。概ね、ハード色とジャズ・ロック色を内包したヘヴィ・プログレを展開していて、シンフォニック的要素も適時織り交ぜた非常に濃密なサウンド。完全にハード調のギター、的を射たオルガン、歌い上げるタイプのシャウト系男女英語ボーカル、クリス・スクワイア的ベース、北欧的粘っこさのドラムを軸に、時折フルートやサックス、ヴィブラフォン等を交えて重厚に疾走する演奏は、バンド感も十分で素直にカッコいい。ブルース基調の適度なキャッチーさの楽曲は、プログレ的情感もある程度担保されていて、ドラマティックで派手なアレンジも勢いのよい演奏とよいマッチングを見せる。スクワイア・ライクなベース以外は、巷でいわれる程のイエスっぽさはなく、むしろベガーズ・オペラ辺りに近似するハードとプログレの折衷B級感という印象で、ハード&ヘヴィ・プログレ系愛好家ならかなり楽しめるだろう好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤
(Progressive/Hard,Jazz Rock,Blues,Symphonic / Jewel-case CD(2019 Re-master) / Karisma Records/Norway)