ノルウェーのアポロン・レコードからのリリース。多分初CD化。ネックレクトリクはおそらくオーレスン地方出身のグループで、ホグネ・アーフロット(ex.エレクトロ・オンパニート,etc)やアーレン・アルム・レルスタッド(ex.ブラッディ・ビーチ,etc)が中心となって13年頃に結成されたらしい。本作は、22年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、アーフロット、アルム・レルスタッド、ヨハネス・ドラブロス・マーセイデ、エドヴァルド・ブレテル、ヨン・ボルスタッドの5人編成を基本に、曲によってプロデュース兼任のイーヴァル・サンデイのパーカス、アレクサンデール・ヴォン・メーレンのヴィブラフォンが適時入る。概ね、カンタベリー調のエレガントなコード感とポップネス内包の楽曲を、ポスト・ロック調のタイトな演奏で展開する面白いサウンドを展開。ポスト・ロック調といっても、耳触りは丸くて角張ってはおらず、とはいえタイトな縦ノリ感が担保されているという妙な味わいで、ジェントリーなボーカルや柔らかい楽器群の音色の響きも、おおよそカンタベリー感満点。変拍子を交えた複雑なアレンジと、涼やかに流暢なアンサンブルのマッチングは見事で、一糸乱れぬ演奏はわりと素直にカッコよく、バカテク方面としても十分に成立している。楽曲にブルース色がほとんどなく、それがハットフィールド&ザ・ノースやナショナル・ヘルス、ブルーフォード辺りのカンタベリー・ジャズ・ロック感に近似する印象の要因かも知れない。ともかくも、洗練された空気感と嫌味のないバカテクさが心地好い好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Canterbury / Jewel-case CD(2022) / Apollon Records/Norway)