フィンランドのスバート・レコードから、18年新規リマスターでのリシュー。ユプ・グループは、元ユッカ・ハウル＆スーパーキングス、エドワルド・ヴェサラ・バンド等のユハニ・ユプ・ポウタネンが中心となって74年にヘルシンキで結成されたグループで、本作は75年にフィンランドのハイ・ハットからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、ユプ、ヤンネ・ロウヒヴオリ(ex.フッリナネス,etc)、ユーソ・リンコラ、イルッカ・ハンスキ(ex.ユッカ・トローネン・バンド,etc)、ウピ・ソルヴァリ(ex.イカルス,etc)の5人編成で、プロデュースはミカエル・ヴィーク。概ね、ユプの流暢なヴァイオリンを軸としたジャズ・ロック／クロスオーヴァー方面のサウンドを展開していて、ジャズ調の軽快さとロック調の粘っこさが、クラシック色も交えた楽曲といい塩梅のマッチングを見せる。それ程派手な感じではないが、美しいピアノのアルペジオや細やかで丸いリズム隊＆パーカスが映える情感パートと、ヴァイオリンやギター中心に盛り上がるインプロ的な動のパートの対比がクッキリしていて、さりげなくバカテクな演奏も申し分ない。全体に、ジャズ・ロックとクラシックの要素をプログレ的アレンジで括った印象で、勿論ヴァイオリン入ジャズ・ロックの線でも聴けるが、他の楽器も含めた全体のバランスがよく、トータルなアンサンブルの妙が心地好い。北欧然とした清涼感も含め、ペッカ方面にも通じるジャズ・ロック・プログレ系として、濃密な手応えの好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Crossover,Symphonic / Jewel-case CD(2018 Re-master) / Svart Records/Finland)
