スウェーデンのフラウド・ジェムスから、10年新規リマスターでのリシュー。フラスケット・ブリナーは、ボ・ハンソンのバックを務めていたグンナル・バーリステーンやステン・ベルイマン、エーヴェ・グスタフソン等が中心となって、70年にストックホルムで結成されている。本作は、71年にスウェーデンのサイレンスからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、バーリステーン、ベルイマン、ベント・ダリアン、ペール・ブラーン、エリク・ダールベックの5人編成を基本に、曲によってハンソンとグスタフソンが適時ゲスト参加、バンドとアンデシュ・リンドの共同プロデュース。1,2,8曲目が70年12月のライヴ、3~7曲目が71年のスタジオ・ライヴで、インプロを交えたインスト・ジャズ・ロックを展開。「アンクル・ミート」や「バーント・ウィニー・サンドイッチ」の頃のザッパ&マザースと、ハンソン的な北欧感、エンブリオ的なサイケ・ジャズ・ロック色がミックスされたような印象。メロディ&リフ、ギター・ソロ、全体の雰囲気が、非常に60年代末のザッパを彷彿させられ、そこにエンブリオ的なインプロの展開と妖しさが相俟って、わりと文句なしの濃密なカッコよさを放つ。ともかくも、この盛り上がりの一体感と演奏の上等さはかなりのもので、演奏性の高さと野外ライヴが似合う感じのサイケ色の強いバンド感は圧巻。あまり一般ウケはしないかも知れないが、ハーヴェスターやトラッド・グラス~辺りに通じるサイケ感と上等な演奏が融合した、北欧ジャズ・ロック系の好盤に違いない。素晴らしい!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz Rock,Psyche,Blues / Jewel-case CD(2010 Re-master) / Flawed Gems/Sweden)