USAのメキシカン・サマー/ケマド・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。ドゥンエンはストックホルム出身のグループで、グスタフ・エイステスが中心となって99年に結成されている。01年ファースト「ドゥンエン」以降、現在までに10枚弱のアルバムをリリースしているが、北欧&ヨーロッパのみならず、アメリカや日本の音楽雑誌でも各作品が度々ベスト・アルバムに選出されるなど、ワールドワイドに評価の高いビッグ・ネームとなりつつある。本作は、16年にスウェーデン/EUのスモールタウン・スーパーサウンド&USメキシカン・サマーからリリースされたエイス・アルバムで、メンバーは、エイステス、レイネ・フィスケ、マティーアス・グスタヴソン、ヨアン・ホルメガルトの4人編成、プロデュースはマティーアス・グラヴァ。世界初の長編アニメ映画として知られる、ドイツ人影絵作家ロッテ・ライニガーの1926年作品「アクメッド王子の冒険」の、架空サントラとして制作されたトータル・コンセプト・アルバムで、セッション風のインプロ感も適度に交えた、サイケなインスト・プログレ方面のサウンドを展開。「アクメッド王子の冒険」は、アラビアンナイトをモチーフとした冒険ファンタジー物語で、楽曲自体にはアラビック要素はほとんどないが、例えばボ・ハンソンの「指輪物語」辺りに通底する、どこか土着的でイモっぽい香りが担保された懐かしいプログレの空気感と浮遊感が、ともかくも流していて心地好い。ほとんどメロトロンに聴こえるコーラス・オルガンの音色や、70年前後のデイヴ・ギルモア的スタイルのギター、盛り上がりのツボを押さえたリズム隊の、アンサンブルの妙も素敵で、ポスト・ロック調の演奏が初期ピンク・フロイド方面のサイケ感に収束する好盤と思う。素敵!。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Post Rock / Digi-Sleeve CD(2016) / Mexican Summer/Kemado Records/USA)