フィンランドのウィー・ジャズ・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。デザイナーズは、フィンランド人ピアニストのアキ・リッサネン、ベルギー人ベーシストのジョアキム・フロラン、オーストラリア人ドラマーのウィル・ガスリーが21年に新たに結成したグループで、それぞれ他のユニットやセッション活動を掛け持つ売れっ子だが、デザイナーズとしてはナントを拠点としているらしい。本作は、22年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは前述のリッサネン、フロラン、ガスリーのトリオ編成、プロデュースはマッティ・ニヴェス。概ねジャズとミニマル・ミュージックの狭間というか、例えば、スティーヴ・ライヒ方面の幾何学的なミニマル色が強く顕われた楽曲を、オーソドックスさをある程度担保しつつ適度に実験色も交えたインプロヴィゼイションを軸に展開して、ECM系の静謐な透明感音質で仕上げたような印象。ミニマルの要素を意識しているからか、カチカチしたスクエアなリズムのハマりはジャズなのに縦ノリで、それがポスト・ロック調のソリッドなスタイリッシュさやエレガントなアンビエント感にも繋がっていて、結果として妙な味わいを生んでいて非常に面白い。全体に涼やかでクールさが前面に出ている感じだが、アンサンブルはかなり緻密かつ上等で、演奏自体やフリー・フォームになり過ぎないインプロの盛り上がりはけっこうホットだったりもして、ロックの耳に心地好い好盤と思う。変化球ミニマル系としても成立していて、十分楽しめる。
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輸入盤
(Progressive/Jazz,Minimal,Experimental / Digi-Sleeve CD(2022) / We Jazz Records/Finland)