ノルウェーのカリスマ・レコードからのリリース。ビヨーン・リースはオスロ出身のギタリストで、プログレ系リスナーにはエアバッグでの活動で知られているかもしれない。本作は、22年にリリースされたソロ名義フィフス・アルバムで、メンバーは、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、プロデュース兼任のリースと、エアバッグの僚友ヘンリク・ベルガン・フォッスムを核に、曲によってシムン・ヴァルダル・ヨハンネセン、ヴェガルト・クレフタース・シュレイプネス、ペール・エイディール、ミミ・タンバ等が適時参加。概ね、ソリッドなポスト・ロック色とピンク・フロイド的ブルース色が交叉する、メロディアス・プログレ方面のサウンドを展開。例えば、ギターの泣きや楽曲のコード感と哀愁、ジワジワと盛り上がるアレンジなどはデイヴ・ギルモア辺りに、エモさを内包した抑え気味のボーカルや、ダーク感を内包した冷たいポスト・ロック的情感はティム・ボウネス辺りに近似する印象で、それぞれの要素が非常にいい塩梅のバランスで同居。全体にアコギの使い方が上手いというか、美しいアルベジオや粒の揃ったストロークが効果的に配置されていて、ピアノやオルガン、メロトロン的音色のキーボード群の響きも相俟った淡い情感の盛り上がりは見事。曲によってはハード調のカッコよさも十分で、緩急の効いた構成や無駄のないアンサンブル、時折絡む女性ハーモニー・コーラスのハマりも上々。演奏は安定して重厚で、しつこ過ぎない哀愁が素直に心地好い好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Symphonic,Blues,Post Rock / Jewel-case CD(2022) / Karisma Records/Norway)