韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、21年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、インサート、インナー・バッグ入、オビ付。リンカーン・ストリート・イグジットはニュー・メキシコ州アルバカーキ出身のグループで、67年にシングル・デビュー後、70年にUSAメインストリームから唯一のアルバムとなる本作をリリースした。XIT(ジット)の前身バンドとしても知られているかも知れない。メンバーは、マイケル・マーティン、R.C.ガリス、マック・スアゾ、リー・ハーレスの4人編成で、全員ネイティヴ・アメリカンのスー族出自、プロデュースはボブ・シャッド。結成は64年と古く、60年代のシングル群はパンキッシュなガレージ・サイケ系のサウンドで、その要素もある程度は担保しつつも、基本的にはサイケ色のあるブルージー・ハードと呼べるサウンドを展開。2本の下品なファズ・ギターと勢いのよいシャウト・ボーカルが、ドカスカなリズム隊に乗せてガンガン押しまくるスタイルで、ゴリゴリ&ガーガーのハード・ロック・マナーの強い演奏は、わりと素直にカッコよかったりする。全体に捨て難いB級の味わい十分というか、メンバー達の『ネイティヴ・アメリカンとして言いたい事』も含め、この線としてはスカっと上々の仕上がりで、ハード・ロック愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。本作後、同じメンバーにトム・ビーがソングライターとして加わる形でジットに発展した。
輸入盤
(Psyche Hard/Heavy Blues,Garage / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Big Pink Music/Korea)