スペインのゲッセン・レコードからのリシュー。ウィキッド・レディは、この後ダークに加入するマーティン・ウィーヴァーがダーク以前に結成していたグループで、当時リアルタイムでの作品リリースはなかった。ダークと同じノーザンプトン出身なのかは不明。本作は、72年にレコーディングされたがオクラ入となった未発表のアルバム用音源で、ウィーヴァー所蔵音源を元に94年にUKキッシング・スペルが発掘盤としてCDリリース、その後12年にゲッセン・レコードがアナログ2LP盤としてリシューしたもの。メンバーは、ウィーヴァー、デル・モーリー、マッド・ディック・スミスのトリオ編成で、わりとセッション感が強かった同時リリースの69~72年未発表音源集「アックスマン・カムス」と比べると、けっこうハード・ロックとしてスッキリしているというか、各曲それぞれメリハリを考えたアレンジが施されていて、確かにアルバム用として制作しようとしていた感がある。楽曲はサバス方面的リフ&フレーズ変わらずで、ジミヘンの「ヴードゥー・チャイル」のカヴァーのハマりも悪くなく、全体にヘヴィネスが増して演奏のバンド感も担保されている印象。アマチュアのバンド好き的ノリを原点とした、浮上出来ないアングラ感やクサレB級感も結局満点で、前述の「アックスマン~」同様にB級ブリティッシュ・ハード&ヘヴィ・サイケ系愛好家なら問題なく楽しめると思う。この後、ウィーヴァーはダークを経て76年頃にマインド・ドクターで活動、20年にはエーレスンド・スペース・コレクティヴのドクター・スペース(aka.スコット・ヘラー)と共にドクターズ・オブ・スペースを結成して復活した。
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輸入盤
(Psyche Hard/Blues,Psyche / Jewel-case CD(2022) / Guerssen Records/Spain)