スペインのゲッセン・レコードからのリシュー。ウィキッド・レディは、この後ダークに加入するマーティン・ウィーヴァーがダーク以前に結成していたグループで、当時リアルタイムでの作品リリースはなかった。ダークと同じノーザンプトン出身なのかは不明。本作は、69~72年における未発表レコーディング・マテリアル集で、ウィーヴァー所蔵音源を元に93年にUKキッシング・スペルが発掘盤としてCDリリース、その後12年にゲッセン・レコードがアナログ2LP盤としてリシューしたもの。メンバーは、ウィーヴァー、ボブ・ジェフリーズ、マッド・ディック・スミスのトリオ編成で、1,3,5曲目が69年、2,4曲目が70年、6~8曲目が72年のクレジット。粉吹き系の音色も含め多少のガレージ感を引き摺った69年、アート・ロック調のプログレ感が加味された70年、幾分ハード・ロックとして洗練された感じの72年と少々の変遷はあるが、概ね一貫してB級感満点のハード・ロック調サウンドを展開。ブルース基調のサバス方面的リフ&フレーズに乗せて、ウィーヴァーがファズ・ギターを弾きまくるスタイルで、キープ基調のリズム隊はある程度安定しているが派手さはなく、少し頼りなげなボーカルも含めウィーヴァーのワンマン的ギター・トリオという印象。ギターもそれなりに弾けていて楽曲も悪くはなく、これでしっかりしたプロデュースがなされればそれなりのプロ仕上がりになったのかも知れないが、この好き勝手やり放題セッション感がある種のアングラ的味わいを生んでいて、B級ブリティッシュ・ハード&ヘヴィ・サイケ系愛好家ならけっこう楽しめると思う。
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輸入盤
(Psyche Hard/Blues,Psyche / Jewel-case CD(2022) / Guerssen Records/Spain)