USAのライオン・プロダクション/ACMEから、70年10月のBBCスタジオ・ライヴ音源3曲(ドイツのSPM/WWR盤と同じ)をボーナスで加えてのリシュー。特にリマスター表記はないが、音質はクリアで迫力もあってよい。T.2.は、元フライズ、プリーズで、一時ガンにも在籍していたピーター・ダントンと、元ブルドッグ・ブリードのキース・クロスとベルナルド・ジンクスが、70年に新たにロンドンで結成したグループで、本作は70年にUKデッカからリリースされた唯一のアルバム(後年になって未発表セカンドやサードが発掘音源としてリリースされた)。メンバーは、前述のダントン、クロス、ジンクスのトリオ編成で、プロデュースはピーター・ジョンソン。ブルースを基調としながらも、独特の泣きとくぐもり感のあるメロディアスな楽曲を、アコースティック・ギターやピアノ、メロトロン等々を鏤めたアレンジとハード・ロック・マナーの演奏で展開する、非常にブリティッシュ然としたサウンド。アート・ロック、サイケ、プログレをハード・ロックで括った感じで、ゴタ混ぜ感があってストレートにハードではないのだが、詰込み過ぎで散漫ということは一切なく、結果としてそうなったという必然感が感じられ、演奏には甘さもあるがちゃんと一本筋が通っている印象。この英国的アンバー感はともかくも見事で、ハード・ロック、プログレも含むブリティッシュ愛好家なら、まずもって楽しめるだろう雰囲気十分の好盤と思う。また、ボーナス収録された粘っこい炸裂ブルース・ハードの3曲はサイケ・ハードとして何よりカッコよく、ハード・ロック愛好家はともかくも要チェックかも知れない。
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輸入盤
(Psyche Hard/Blues,Progressive / Jewel-case CD(2008) / Lion Production,ACME/USA)