ドイツのサンライズ・レコードからのリシュー。ピナックルは、70年代中期におそらくリヴァプールを拠点に活動していたグループで、オリジナルLPがけっこうなプレミアム・アイテムとしても知られているかも知れない。本作は、74年にUKスタッグからプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、オーウェン・マッカーン、ポール・トーマス、デイヴ・ミレット、アラン・ローレンス、ニール・マッケンナの5人編成、プロデュースはデイヴ・ロイランス。例えば、何というかユーライア・ヒープ的なオルガンとリズム隊に、アンドロメダ的なボーカルとギターが乗っかったような感じのサイケ・ハードを展開していて、ダークで泣きのある曲調でひたすら疾走する感じ。ヒープをさらにイモっぽくしたような楽曲やフレーズと、わりとヘヴィでノリのよい演奏で疾走するサウンドには、ある種の暗黒感が担保されていて、その意味ではブラック・サバス方面のドゥーム色も感じられる印象。雪崩れ込むようなオルガンや弾きまくる下品なギターは、それはもうどうしようもなくB級感十分で、ドカドカの勢い一発的演奏とブルース基調の楽曲、工夫のないアレンジのマッチングも悪くなく、結果としてそれなりにカッコよかったりする。突出した出来のよさではないかも知れないが、自主制作盤としては十分水準以上という感じで、ベタな男気ハードロック・センスも含め、全体にけっこう捨て難いB級ブリティッシュ・ハードの好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche Hard/Heavy Blues,Progressive / Jewel-case CD(2004) / Sunrise Records/German)