UKのエソテリック・レコーディングスから、73年2月12日のBBCジョン・ピール・セッション音源3曲をボーナスで加えての、17年新規リマスターでのリシュー。パトゥーは、マイク・パトゥー、オリー・ハルソール、クライヴ・グリフィス、ジョン・ハルゼーの4人が在籍していたタイムボックスを母体として、70年にそのままバンド名をパトゥーに変える形で結成されたグループ。テンペスト、ケヴィン・エアーズ、ボクサー、センティピード、スプーキー・トゥース、ヒンクレー・ヒーローズ、ザ・ラトルズ等々、多くの関連アーティスト&派生バンドを持つ。本作は、73年にレコーディングされながらもオクラ入りとなったフォース・アルバム用音源で、メンバーは、ファーストから不変のパトゥー、ハルソール、グリフィス、ハルゼーの4人編成を基本に、曲によってメル・コリンズ(ex.キング・クリムゾン,キャメル,etc)、デイヴ・ブルックスがサックスでゲスト参加、プロデュースはマフ・ウインウッド。概ね、前作までの流れを継承したブルージー・サイケ・ハード的サウンドを展開しているが、多くの曲でパトゥーがエレピを弾いていたりサックスが入ったりで、少し趣きが異なっていて面白い。いかにも彼ららしい変テコなブルース・ロック系から、パンキッシュな炸裂系、ボンゾ・ドックやモンティ・パイソン的脱力系まで、曲想はバリーエーション豊富。ギターにせよピアノにせよ、ハルソールの弾くフレーズは相変わらずハミ出し感満点。全体に、基本一発録り的なラフ・ミックスっぽさがあって、決して完成形ではないのだろうと思われるが、アクの強いボーカルやヘヴィでノリのよいリズム隊も素直にカッコよく、これでもう少し楽曲が練り込まれていればかなりの好盤になったかも知れない。この後、パトゥは再編スプーキー・トゥースを経てボクサーへ、ハルゼーはヒンクレー・ヒーローズ等を経てザ・ラトルズへ、ハルソールはテンペスト、ケヴィン・エアーズのバックを経て、ボクサーで再びパトゥーと合流。TESオビ・解説/人脈図付
輸入盤
(Psyche Hard/Blues,R&B,Progressive / Jewel-case CD(2017 Re-master) / Esoteric/UK)