UKのBGOから、92年新規リマスターでのリシュー。メイ・ブリッツは、元ジェフ・ベック・グループ(JBG)のトニー・ニューマン(ex.スリー・マン・アーミー,ボクサー,デヴィッド・ボウイ・バンド,etc)が、元ベーカルーのリズム隊のキース・ベイカーとテリー・プール、JBGのアメリカ・ツアーで知り合った若いカナダ人ギタリストのジェイムス・ブラックと共に、69年に新たに結成したグループで、当初はツイン・ドラム編成だったが70年に入ってベーカルーの2人が離脱、ブラックの旧友だったリード・ハドソンをロンドンに呼び寄せ、改めてトリオで活動を開始した。ヒップ&アングラ色満点のサイケ感とヘヴィネス、ハード調の上等な演奏が融合した稀有なバンド。本作は、70年のファースト「メイ・ブリッツ」と71年のセカンド「ザ・セカンド・オブ・メイ」の全曲を収録したカップリング2in1CDで、2作品ともオリジナルはUKヴァーティゴ。メンバーは、ニューマン、ブラック、ハドソンのトリオ編成で、プロデュースはファーストがバンド、セカンドがジョン・アンソニー。どちらも、ブルースを基調としたサイケ色の強いハード・ロックを展開していて、正しくサイケな妖しさと上等なハード・ロック・マナーの演奏が噛み合った、ブリティッシュ・ハード最高峰の1つと思う。ブラックはクリアトーンやアコースティック・ギターを多用、ニューマンのドラムは手数が多くかなりジャズ的で、2人共ジャジーなまま殊の外ヘヴィに狂い盛上がり、それをハドソンのドライヴ・ベースが纏めていて、トリオのバランスがよいというか無駄がない。形があるようでないサイケな展開、ルーズさ、狂気、ブルージーなリフ、全て文句なしにカッコよく、アシッド色の強いナンバーでの浮遊感もキマっている。ともかくもリズムが心地好く、インプロでの狂い方と一体感は満点で、ギラギラしてるがクールで盛り上がりの炸裂感も圧巻。この2枚をリリース後バンドは解散、ニューマンはスリー・マン・アーミー、ボクサー、デヴィッド・ボウイ・バンド等々を渡り歩く。カッコよし!。
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(Psyche Hard/Blues,Progressive / Jewel-case CD(1992 Re-master) / BGO/UK)