UKのキャッスルから、本作収録曲のUSバージョン3曲(9~11曲目)と、70年5月のBBCセッション・ライヴ音源2曲(12,13曲目)の、計5曲をボーナスで加えての04年新規リマスターでのリシュー。アトミック・ルースターは、元クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンのヴィンセント・クレインとカール・パーマー、元ジ・エンドのニック・グラハムが69年にロンドンで新たに結成したグループで、クレインの流暢なハモンド・オルガンを核としたオルガン・ハード系の好バンド。メンバー変遷が多く、上記以外にもELP、スキン・アレイ、ハード・スタッフ、アンドロメダ、ジ・アタック、コロシアム、ホース、イビス、ノヴァ、リーフ・ハウンド、カクタス、ランディ・パイ、ブランドX等々、数多の関連バンドがある。本作は、70年にUKのB&Cからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、前述のクレイン、パーマー、グラハムのトリオ編成、バンドとトニー・コルトンの共同プロデュース。基本的にはプログレ・ハード系と云ってよいと思うが、ブルージーなリフを基調としたクレインのハモンド・オルガンはとにかく上等でカッコよく、パーマーのドカドカでせっかちなドラムも、グラハムの下品なギターやフルート&ボーカルのハマりも十分。著名ハード・ナンバーの1曲目「13日の金曜日」は勿論、リリカルな7曲目も含め、全体にプログレ、オルガン・ロック、ブルース&ハードの各愛好家のどれにもアピールするサウンドで、その線として素直に楽しめる好盤と思う。本作後クレイン以外は脱退、パーマーはELP、グラハムはスキン・アレイへ。また、ボーナスのライヴ音源は、クレイン、パーマーと、ギター&ボーカルはジョン・カン。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche Hard/Progressive,Blues / Jewel-case CD(2004 Re-master) / Castle/UK)