USAのライオン・プロダクションズからのリシュー。特にリマスター表記はないが、音質は柔らかくて広がりがあり、非常によい。サンドローズは、マルセイユ出身のエデン・ローズを母体として71年に結成されたグループで、本作は72年にフランスのポリドールからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、ジャン・ピエール・アラルサン、アンリ・ガルラ、クリスチャン・クレールフォン、ミシェル・ジュリアンのエデン・ローズの4人に、新たに女性ボーカリストのローズを加えた5人編成で、日本のリスナーにあっては、おそらくフレンチ・プログレの中で最も著名かつブリティッシュ系リスナーにも人気のある作品の1つかも知れない。ボーカルが英詞で、日本のリスナーに苦手な人の多いフレンチ・ロック特有の違和感の薄さも、日本でウケがいい要因の1つと感じるが、概ねメロトロンの洪水とブリティッシュ的陰影、泣きのメロディとドラマティックなアレンジがハマった、メロウ・キャンドル方面の美しいジャジー・プログレ系サウンドを展開。ジャジーで繊細なギター、流暢なオルガンと使い方の上手いメロトロン、少しくぐもったシャウト・ボーカル、とてもメロディアスなラインのベースと聴き所は随所にあって、特に5曲目辺りの情感は何とも抗い難い心地好さを放つ。全体に、洗練感とイモっぽさが同居するアンバーなくぐもり感が非常にいい塩梅で、全曲に漂うこのメランコリックな郷愁感や、甘いギターとメロトロンの音色は、日本のプログレ系リスナーにはまずもってツボに違いない。絵画的で上質な哀愁を放つ、フレンチ・プログレの定番として素直に好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Jazz Rock / Jewel-case CD(2011) / Lion Pro./USA)