スイスのWRWTFWW(ウィー・リリース・ホワットエヴァー・ザ・ファック・ウィー・ウオント)レコードから、デジパックでのリシュー。ローラン・ボッケはおそらくニース出身のキーボーティストで、フレンチ・プログレ系愛好家には何よりカタルシスでの活動で知られているかも知れない。本作は、カタルシス解散後の77年にフランスのコブラからリリースされたソロ名義ファースト・アルバムで、メンバーは、ピアノ、シンセ、パーカスのボッケを中心に、曲によってジェラール・ジョフロワ(ex.パチャカマク,etc)、マクシム・ゲッツ(ex.ムーヴィング・ゼラチン・プレーツ,etc)、ディディエ・デュフレーヌが適時参加、プロデュースはジャン・ミシェル・ギャロワ・モンブラン。概ね、ミニマル、アンビエント調の反復リズム・パターンと浮遊感を基調に、ジャーマン・エレクトロニクス的サイケ感、初期ピンク・フロイド的プログレ感、ボッサ的ラテン感等々を織り交ぜたインスト・プログレを展開。カタルシス時代ほど初期フロイド色は強くないが、牧歌的なそれらしい空気感は残っていて、全体に漂うライトなオシャレ感は、例えばジャーマン・エレクトロニクスをエレガントにしたようなというか、アクを弱くして聴きやすくしたような印象。ところがしかし、その意味ではジャーマン・ロック的エッセンスの洗練化に成功していて、スペイシーなノイズやSEがいちいち耳触りがよく、全体がポカポカした昼下がりの木漏れ日的情感に収束。丸い音色と柔らかいサウンドスケープが美しくも素敵で、ともかくも流していて心地好い正しくサイケな好盤と思う。
只今在庫切れとなってしまいました。ご予約オーダー・お問い合わせ等は、問い合わせフォームからお受けいたします。入荷見込み・時期など現在の状況を改めてお知らせいたします。
輸入盤/限定プレス
(Progressive/Psyche,Minimal,Ambient / Digi-Pack CD(2021) / WRWTFWW Records/Switz)