フランスのムゼアからのリシュー。おそらく初正規CD化。ネモは、元クルシフェリウスのフランソワ・ブレアンとマルク・ペリュ(ex.エルゴ・スム,etc)が中心となって、72年に新たにパリで結成されたグループで、2枚のアルバムをリリースして74年に解散した。本作は、73年にフランスのアガヴェからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ブレアン、ペリュ、パスカル・アロヨ、クレマン・バイイ(ex.マグマ,etc)、エマニュエル・ラコルデール(ex.アルファ・ラルファ,etc)の5人編成、プロデュースはジョゼ・バルテル。概ね、ファンキーな演奏とプログレ的アレンジが交叉するファンク・プログレとでも呼べるサウンドを展開していて、楽曲の独特なくぐもり感も相俟ってかなり面白い内容。フランスのバンドには珍しくボーカルはほとんどが英詞で、16ビート基調のリズムのハマりのよさも含め、フレンチ・プログレ方面にありがちなモワ~っとした感じも薄く、洗練されたバンド感十分の演奏は素直にカッコいい。ともかくも、太いグルーヴのベースとキレのよいドラム&パーカスのリズム隊が殊の外強力でハマりがよく、ジャジーなエレピ&オルガン、サイケなギター、ユーモラスなハミ出し感内包のボーカルが相俟ったインプロ絡みのアンサンブルは、例えばルパート・ハインやジョン・G・ペリー達のクォンタム・ジャンプ辺りにも通じる印象。この後、ブレアンがエレクトロニクス・プログレ方面でソリストとしても活動することにも繋がるのか、全体の音色や適時挿入されるSE的フラグメントにエレクトロニクス方面のサイケ感が担保されていて、演奏・センスともに非常に上等な好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Funk,Pops / Jewel-case CD(2019) / Musea/France)