フランスのグレート・ウインズ/ムゼアからのリシュー。スリップ・ケース付で、ここではそのスリップ・ケースを載せた。フランソワ・ファトン・カーンはフランスのクロミエ出身のジャズ・ピアニスト兼キーボーティストで、プログレ系リスナーには何よりマグマやユニヴェリア・ゼクト、ザオ等での活動で知られていると思う。本作は、79年にフランスのトレマからリリースされたソロ名義サード・アルバムで、メンバーは、ファトン・カーン、ミロスラフ・ヴィトス、ミシェル・セギン(ex.コントラクション,トゥバブー,etc)のトリオ編成を基本に、2曲でジャック・デジョネットがゲスト参加、ロバート・タラー、ファトン・カーン、ヴィトス、セギンの共同プロデュース。概ね、少しエスニック色のあるジャズ/ジャズ・ロック調のサウンドを展開していて、流暢で華麗なピアノ、指弾きと弓弾きが縦横に交叉するコントラバス、わりと叩きまくりのパーカスが、非常に濃密な炸裂を見せる。けっこう美しいメロディや小憎らしいフレーズが鏤められた楽曲と、インプロ主体のキレのよい演奏のバランスがいい塩梅で、全体に緩急の効いた畳み掛ける場面転換がビシバシとハマる。コール&レスポンスでお互いの隙間を埋め合いながら、エモーショナルに盛り上がるノリのよい演奏は素直にカッコよく、さりげないテクニカルさや饒舌さも申し分ない。ともかくも圧巻の演奏を堪能出来る、この線としては文句なしの好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz,Jazz Rock,Ethnic / Jewel-case CD(2000) / Great Winds/Musea/France)